研修医体験記8月
2020年9月18日
2020年8月の研修医体験記
2020年8月より当院の地域医療研修は2名体制となりました。盛夏の8月に1ヶ月間精力的に診療に従事してくれたのは帝京大学医学部附属病院の初期研修医2年目の先生です。細やかな心遣いで患者さんやご家族から信頼を得ていく姿は頼もしい限りでした。コモンな疾患を中心に幅広く経験を得ることができたのではと思います。
先生からいただいた研修の感想を以下にご紹介します。
「この度は地域医療実習として、1ヶ月間という短い期間でしたが斜里町国保病院で研修させていただきありがとうございました。私は秋田出身で、母校が廃校になるような田舎町育ちでした。先輩の勧めで斜里町を地域実習として選択しましたが、どうせ同じような廃れた町なんだろうな…と思ってました。しかし実際来てみると小中高まであってスーパーもたくさん集結しており、近くには世界遺産もあって、思っていた数倍も都会で驚きました。そんな斜里町国保病院には合地院長を慕う方々が集結しており、スタッフの方々は優しく接してくださいました。非常に仕事のしやすい環境で、人見知りの私でさえもすぐ打ち解けることができました。合地先生は偉大なんだな…と感服しました。
思い出に残る患者様もたくさんいらっしゃいました。9月に99歳になったら、私のもとへ手紙を出してくれると言ってくれたKさん。部屋に向かってくる足音だけで、私が来たと分かるようになったと、常に私を観察してくれていたOさん。私がカルテ業務をしているすぐ真横に車椅子で駆け寄ってくれ、見守っててくれたKさん(たまに寝てましたが)。時間が空いたときいつも勝手に部屋に入って、他愛も無い話を聞いてくれたMさん。東京へ旅立つ日は二人して涙を流しましたね。他にも決して忘れることのない方々と出会うことができました。
また、今回初めて訪問診療に携わり、医者には一番何が必要なのか改めて考えさせられました。いかにその患者様の最善策を考え、社会背景まですべて網羅しているか。患者様との信頼関係を築くことが最も大切であるということを合地先生は教えてくださいました。石岡先生は感染症の分野について、抗菌薬の選び方、感染症のアプローチの仕方についてご指導くださいました。全身をくまなく詮索して原因を突きとめる姿勢を学ぶことができました。菊一先生は地域医療とはどんなものなのか、何が大切なのか教えてくださいました。森先生は苦手な不整脈について適切な対応をご指導してくださいました。近藤先生は来年からの私の為に内視鏡について深く指導くださいました。土田先生は外科的手技について、頭部CT読影のポイントなどについて詳しく教えてくださいました。栄養士の桑畠さんは栄養についてたくさん教えてくださり、食事形態を一緒に考えてくれました。看護師さん方は時間外に指示を出しても嫌な顔をせず(裏では愚痴っていたのかもしれませんが)対応してくれました。他にもいろんな方々のサポートがあって、知識不足の私がこうして無事1ヶ月仕事をこなすことができました。このご時世で皆さま方と飲み会ができなかったのが非常に残念です。いろいろと落ち着きましたら、流氷を見にまた斜里まで来たいと思います。
最後になりますが、本当に1ヶ月間ありがとうございました。ここでの研修経験は私の宝物になりました。一人前の医師になって、皆様に再びお会いできることを願っております。」
冬の知床もおすすめです。ぜひ遊びに来てください。
(写真撮影時のみマスクを外しています)